商標出願の分割タイミングのお話。
例えば、複数の区分A、Bを商品に指定して商標出願すると、Aの区分にのみ厄介な拒絶理由が指摘されました。でもAの区分も登録を諦めずに最後まで争いたい。
この場合、拒絶対応として、手続補正書で指定商品Bのみを記載し、指定商品Aは分割出願する。
実務では比較的よく見かけるパターンだと思います。
ここで注意しなければならない点はこの一点。
手続補正書で指定商品Aを削除すること。
分割出願では指定商品Aのみを記載すること。
【問題の所在】
商標法上、分割出願と補正書の提出順序について明文の規定は見当たりません。また、商標審査基準等においても、同日に行われた両手続の先後関係によって分割の適法性が左右される旨の記載は見当たりません。
さてオンライン出願のタイミングが気になります。
①パターン1
先に分割出願(A)をして、補正期間内で後日、手続補正書(B)の提出。
これは分割出願のAは、直前の願書に記載された指定商品なので争点なく適法です。
②パターン2
分割出願(A)と手続補正書(B)でオンライン時にダブル選択して提出。
これも特許実務のルールですが、争点なく適法です。
③パターン3
さて問題の論点です。
先(例えば午前)に手続補正書(B)をオンライン出願して、同日ですが後(例えば午後)に分割出願(A)をオンライン提出。
これは、分割直前の原出願にはAが記載されていないようにも見えるため、ダメという弁理士もいるかもしれませんが、私は、同日内に行われた一連の手続として評価すべきであり、商標出願の分割は適法と解釈されるべきと考えています。
そこで手続補正書と商標分割を同時に行う場合ではパターン②が必須?
という疑問が出ます。
商標実務には特許実務(オンラインでファイルの同時選択)のような審査基準その他で何ら明記されていません。
例えば、紙出願をする場合を考えると、特許庁の出願支援課に出頭して手続補正書(B)を提出しました。そのとき、分割出願(A)を事務所に忘れたので取りに帰り、再度、同日に特許庁の出願支援課に提出した。同日で間に合った。提出タイミングがズレていますが、同日ということなら分割は適法です。
その理屈を考えると、オンラインも受理の時が出願支援課の窓口で提出したときなので、同日であれば、先にオンラインで手続補正書(B)を提出して、同日ながら遅れて分割出願(A)をオンラインで提出した。
これも適法な分割として扱われるべきだと思います。
以上から、私はパターン③であっても商標の分割は適法と解釈されるべきと考えています。
もっとも、安全な実務の観点からは、パターン①又は②を推奨します。
クライアント案件では、後日解釈論を争うことができるかではなく、そもそも争点を生じさせない手続を選択することが重要だからです。
実務ではあまり問題にならない論点かもしれませんが、オンライン化が進んだ現在だからこそ、一度整理しておきたいテーマだと思います。
ともちゃん🦋