毎日、起業家さんと知財相談を行っていて気付いたことがある。
それは起業家は特許を過大評価して、商標を過小評価する傾向。
特に技術系の起業家に多い。
結論として、商標を過小評価するのは間違っている。
商標は自身の商いの顔である。自分の顔を過小評価して、どうして世間や従業員に好かれるのか。そんな考え方では愛社精神も定着しない。
商標は、これから自身が市場に提供する製品やサービスに対し、世間評価が化体する媒体である。
その商標を大切に想う気持ちがなければ、自社の製品・サービスをいい加減に考え、愛情もかけないように映る。
誤解を恐れずにいえば、特許なんてイノベーションが起これば寿命が尽きる。
しかし、商標は日々の企業活動の果実が結ばれるものだから、廃業するまでは大切に保護しておく必要があるのだ。
知財の価値としても、長年、事業活動が継続すると、商標の価値が特許のそれよりも高くなるのが普通である。
その商標を商標権として保護しないのは、企業経営及び企業精神を蔑ろにしていることにほかならない。
特許権で市場を独占するという目先の利益ばかりを考えるよりも、長い時間、企業活動を行い、社会の一員になるという姿勢が企業本来の在り方である。
たかが商標、されど商標。
商標権で保護していない企業は、起業ミッション及び愛社精神の育成からやり直せ!